ランボルギーニ

世界で最も有名なスーパーカーと言えば、ランボルギーニを挙げる人も多いことでしょう。
1970年代に日本で起こったスーパーカーブームの火付け役となった「カウンタック」は、それまでの日本車ではありえなかった跳ね上げ式のドアや、見たこともないような平たくスタイリッシュなボディで多くの人々を魅了しました。
そんなランボルギーニは、フェルッチオ・ランボルギーニによって1962年にイタリアで設立されました。
もともとは高性能なトラクターを製造するメーカーとして知られていましたが、所有していたフェラーリが故障したためフェラーリ社から部品を取り寄せたところ贈られてきたものが自社のトラクターで使用している部品であったことから、フェラーリを超える車を自分で作ろうとしたことがそのきっかけです。
創業からわずか2年後には「350GTV」という車を開発しますが、その独創性に溢れた流れるようなボディラインと上質なインテリアは「フェラーリを凌ぐ車」として好評を博します。
「トラクターメーカーが作った車」と揶揄されることも少なくありませんでしたが、翌年に後継車でもある「400GT」を発表するとその独創的なスタイルと車内の快適性がエグゼクティブな人々の間で話題となり、当時の高級車の販売数としては驚異の250台をいう記録を打ち立てました。
その後も、12気筒エンジンをミッドシップに横置きで搭載するこれまでには考えられなかったシャシーと芸術的なデザインが融合した「ミウラ」や、大胆な2ドア4シータークーペというユニークなスタイルの高級GTである「エスパーダ」、優れた性能をコンパクトなサイズで実現した「ウラッコ」など、常識に囚われない柔軟な発想と大胆さでブランドを加速させていきます。
そして、ついに1974年に伝説の名車「カウンタック」が誕生します。
実は、カウンタックとは日本だけで呼ばれている名前で、イタリア語の方言で「驚いた!」という意味を持つ「クンタッシ」が本来の名前ですが、その未来的なデザインは世界中の人々を驚愕させました。
最高出力375馬力で最高速度は309kmを誇り、0mから100mまでの加速がわずか5.4秒のパフォーマンスを誇る車で、くさび型の究極とも言えるスタイリングがカウンタックの最大の魅力です。
そのボディ構造にはセミモノコックを採用し、12気筒エンジンを縦置きに収めながら極めてコンパクトなボディを実現しましたが、コンパクトであるがゆえにコクピットも非常にタイトであることが特徴です。
発表以降も幾度かの改良が加えられたカウンタックは変わらぬ注目を集め続け、1998年の創業25周年記念モデルである「25thアニバーサリー」モデルを最後に1990まで製造されるなど、ランボルギーニ史上最もロングセラーな車として知られています。
このようにスーパーカーブームの礎となったランボルギーニですが、アメリカ軍からの要望によってクロカンタイプの車も製造しています。
1977年に高機動4WD車として製造された「チーター」は、その後一般用に改良を加えられて「LM002」として販売されました。
角ばった無骨なデザインは従来のイメージを大きく覆しましたが、そのルックスに反して内部はラグジュアリー感満載に仕上げられていることが特徴で、近年高い人気を持つSUV車のコンセプトとして引き継がれています。
ランボルギーニが現在販売しているモデルは「アヴェンタドール」「ウラカン」「ウルス」の3モデル5車種です。
最も安いモデルでもウラカンの2462万円、最も高いものになるとアヴェンタドールロードスターの6286万円ととても手の出せない価格となっていますが、車好きなら一度はオーナーになる夢を持ち続けたいものですね。