フェラーリ

日本でも高級スポーツカーとして知られているイタリアのフェラーリですが、その歴史は今から100年近く前の時代に遡ります。
その当時、アルファロメオ社のレース部門でドライバーだったフェラーリが、友人とともに自己資金でレースに参戦したチームが今の会社の前身となっていると言われていますが、立ち上げた後にイタリアも第二次世界大戦に参戦したので、当然レースは禁止になってしまい工作機械の製造工場の経営者になります。
そして戦争に負けましたが、自社を自動車工場にしてドライバーだった実績を生かして、エンジンの設計やスポーツカーの開発へと力を注ぎます。
そして最初に生産したスポーツカーが125Sというスポーツカーで、それからもエンジンを改良して次々にレースで優勝を飾り、159Sというものを発表してからフェラーリの名前をゆるぎない地位へと押し上げました。
しかし競合の会社も、その車を研究するために、更に速いスポーツカーを開発して行く中で、戦績はだんだんと振るわなくなってきてしまいます。
ただしここで諦めないのがフェラーリで、さらなるエンジンの改良をしていく事で、しばらく振るわなかった結果がみるみる良くなっていき、レースでの栄冠を再び取り戻した事で、その走りに数々のドライバーが憧れるようになります。
この頃から販売用の自動車を注文を受けてから生産するようになり、次第に市販車のメーカーでの歴史が始まります。
最初に市販車として販売した車は乗り心地重視では無くて、あくまでレース参戦の条件としての項目である、市販車を販売しているメーカーという項目の為に販売されたモデルでしたが、その車にも独特のエンブレムが付けられています。
レースでも活躍している車に付いている赤跳ね馬のエンブレムですが、この跳ね馬にはいろいろな逸話があります。
跳ね馬は、もともと第一次世界大戦で活躍したイタリアのエースのパイロットが、使用していたプロペラ機のエンブレムでした。
このエンブレムを使用していたフランチェスコ・バラッカ少佐の両親が、息子の亡き後にフェラーリの車のエンブレムとして使用してくれと申し出があったのです。
このエンブレムというのには幸運を呼ぶエンブレムと呼ばれていたこともあって、エンブレムと黄色を背景にしてイタリアの国旗をモチーフにしたデザインで、スクーデリア・フェラーリのイニシャルであるSとFとを入れたエンブレムを製作して、会社のマークとなり採用したのです。
高級スーパーカーのエンブレムが、イタリア軍で大活躍していたエースのジェット機のエンブレムだったということだけでも、かなり格好の良いエピソードなのですが、それ以外にも名前のスクーデリアというのは、イタリア語で馬小屋であったり厩舎という意味を示していたりして、運命なのか偶然なのかわかりませんが、馬と非常に関係が深いという事が推測されます。
跳ね馬のように、レースを次々と優勝に導いて行くこの会社の車の知名度は、おそらくスポーツカーでは一番であるのではないでしょうか。
今現在でもF1レースのトップとして走り抜いてきたメーカーとして最も有名なチームとして、イタリア国内だけでなく世界中で愛されていることには間違いがありません。
このように世界中でもファンの多い高級スポーツメーカーには歴史があり、レーシングドライバーとしての経験を活かした事で、エンジン改良して更に速さを追求した車造りへとシフトしていった事が成功の鍵であったと言えます。
特にカラーリングにもこだわりがあり、普通の赤では無くイタリアンレッドと言われる赤色には、この車の美しさを象徴するシンボルになっていて、今でもこの車を所持している人のステータスとなっています。
歴史上最高のスポーツカーの代名詞と言っても過言ではないというメーカーです。